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たびわんこ

犬と泊まれる高級老舗旅館 三養荘 in 静岡・伊豆長岡温泉<後篇>

こんにちは!

今日は前回の続き、
伊豆長岡温泉 三養荘に
犬連れで泊まった際の様子をお届けします。

由緒ある老舗高級旅館に
犬と泊まるとどんな体験ができるのか、
前篇も参考にしながら
イメージしつつ、楽しんでくださいね。

※前編はこちら

 今回のポイント 

・お料理は?

・犬用施設は?

・三養荘内を歩く

・総評

・ここが〇〇!

 

お料理は?

広すぎる板の間で襖絵を前に
いただく華やかなお重


コロナ禍のせいか、現在宿泊できる
犬同伴可のプランは
おこもり旅プランとなっており、
食事はレストラン等ではなく、
隣室との共有広間である
板の間でいただきます。
(共有、とはいえ隣室には
誰も泊まらないので部屋食感覚)


こちら、前篇でも触れた通り、
政財界などのお偉方の会食に
使われてきた場所だそうで
大人二人で使うには申し訳ないほど広く、
設えも豪華。

格天井に捻梅文様の透かし、
木瓜型の把手、金色に輝く襖絵…
会談というより、
密談や悪巧みが似合いそう。


※イラストはイメージです。


この豪奢な部屋にお部屋係の方が
夕・朝食を運んでくださるのですが、
まず夕食は、懐石の三段重。
見た目にも美しいお料理が並びます。


一の重
季節を感じられる口取りたち


二の重
煮物や焼き物などが所狭しと


温菜重
あたたかくてやわらかな蒸し物

 

上記のほかに、別添えで
筍の炊き込みご飯、香の物、お椀、
水菓子(フルーツ)がありました。

お重を部屋まで運んできてくださる分
お料理はどうしても冷えてしまうものの、
蒸し鮑はあたためながら食べられるように
工夫されており、
煮物も食材によって別々に
煮込まれたのが分かる、丁寧なお仕事。

品数も多く、重箱の隅まで
ぎっしり詰まっているので
食べ盛り中年1号も満足、
いろんなものを少しずつ食べたい2号も
大満足。
やさしく上品な味わいで、
おいしかったです。

朝食も同じ広間(板の間)にて。
時間になると二段のお弁当が
運ばれてきます。


一の重(左)
小鉢や焼肴などご飯がすすむ系
二の重(右)
煮物やサラダも入ったバランスの良さ

上記の他にご飯、味噌汁、果物が
別添えできます。

こちらもバラエティに富んだ
飽きることのない内容。
夕食もしっかり摂ったのに、
ちゃんと食べられてしまうおいしさが
こわい…笑

残念ながら犬用メニューはありませんが、
きっと舌が肥えた人も満足できるだろう
お料理でした。


犬用施設は?

部屋のお庭がドッグラン代わり
愛犬も温泉に浸かれます


こちらの藤裏葉、華の間と栄の間
2室に分かれていますが、
玄関や板の間の広間、お庭は共有です。

つまり、現時点では
犬同伴プランで泊まると
板の間の他、広いお庭も貸切に。
なんて素敵なんでしょうー。

特にウチの姉犬 凜は、
このお庭が大のお気に入りに。

 

軽い起伏があり、樹木や庭石が
程よく配置されているため、
かくれんぼしながら走れるのが
ドキドキして嬉しかったようです。

 

ちゃんと手入れされた庭で
本当に犬たちを走らせてよいものか
戸惑うほどでしたが、
心から楽しそうな犬たちの顔を見て
『ああ、泊まれて良かったなあ』
としみじみしました。

弟犬の宙が好きだったのは広縁。
こちらも半分外のような日差しが
入ってくるので、ひなたぼっこに
ぴったりだった様子。

 

犬用のアメニティは最低限。
お部屋の内湯で犬を温泉に浸からせる
ことができるように
犬用のバスタブやドライヤー、
タオルが用意されているあたりは
特別かもしれません。

 
 ・サークル
 ・トイレトレー
 ・食器(2頭分)
 ・トイレシート
 ・消臭除菌スプレー
 ・足拭きタオル
 ・犬用タオル
 ・エチケット袋
 ・犬用バスタブ
 ・犬用ドライヤー
 
食事やベッド、クッションの類は
ありませんので、
普段愛用しているものを
ご持参くださいね。

ちなみに外でのお散歩ですが、
三養荘を出て道路を一本挟んだ先には
足湯もある公園があり、
その向こうには狩野川が流れています。


土手の上の道は車が通れないので
お散歩コースとしても最適。
川風に吹かれながら、愛犬と
のんびり歩いてみてはいかがでしょうか。

三養荘内を歩く

日本庭園や国の有形文化財は
とりあえず必見


三養荘といえば日本庭園が有名ですが、
残念ながら犬は入場NG。

だからって、スルーするのは
もったいない!
四季折々の顔に違う顔を見せる
日本庭園をぜひ歩いてみましょう。


こちらの日本庭園、広さはなんと3,000坪。
㎡じゃなく、坪ですよ?
規模がデカすぎやしませんか。
これが個人の別邸だったとは、
当時の財閥のパワーを垣間見る気がします。

この広大な庭園を作ったのは
京都の庭師、小川治兵衛氏だとか。
まさにどこから見ても
切り取って額縁に入れたら
絵になりそうというか、
素人目にも立派な作品のお庭です。

生まれ育ちが京都・奈良で
日本庭園=寺社仏閣のものが
基本となっている2号には
こんなふうに空が広く、
明るい解放感のある日本庭園を
歩くのははじめて。

真冬の2月の訪問でしたが、
梅や河津桜は咲いており、
これからコブシや沈丁花、ツツジなどが
鮮やかに目を楽しませてくれる
ことでしょう。


中央付近には池があり、水の流れる音が
心地よく耳に響きます。



庭園の中には、一部が有形文化財に
登録された本館や
犬と泊まれる藤裏葉同様、
建築家村野藤吾氏の設計による
数寄屋造りの新館の離れが建っており、
それがまた一幅の絵のよう。

 

ぐるっと一周して藤裏葉の方へ戻ってくると
有形文化財の一つ、待合がぽつんと。


一見地味で、周りの自然に
紛れ込んでいるようですが、
お庭が見える北側だけ吹打ちになっており、
下地窓など細かな意匠が見て取れます。

ここに座って、ぼーっと庭を眺めるのも
三養荘ならではの贅沢な時間の過ごし方…
なのですが、
我々には犬が待っているので、
先を急ぎましょう。


この記事の<前篇>で、
お部屋にかけ流しの温泉が楽しめる
内湯があることはお話ししましたが、
犬と泊まれる藤裏葉のお部屋に泊まると、
本館2階にある大浴場も
利用することができます。

この本館が、またとても雅な空間なので、
ぜひ探検…見学必須。

しかしうっかり、有形文化財である玄関を
撮り忘れていた我ら(すみません)、
その玄関を入ると
立派な屏風絵がお出迎えしてくれます。


何か分からないけど精細な彫りが
高そう…

玄関を入ってすぐ右手にあるのは応接室。
奥にあるのは翡翠の香炉かな?
こちらのお部屋も有形文化財です。


その奥には茶室も。
夜に伺ったので暗がりですが、
茶釜がぽつんとたたずんでいました。


でもちゃんと使われているのか、
掛け軸はこの時季らしいものに。


「渓梅一朶香」
人が気づかないような渓谷にも
一枝の梅が咲く
誰かに見られるためでなく
ただ無心にひっそりと咲き
香り立つ、
といった内容…?

 

少し進んでいくと、廊下に
三養荘の歴史についての紹介があったり
小さな人口の滝が趣を添えていたり
歩くだけでも楽しめます。

 


本館の玄関からずーっと前進していくと
フロント(帳場)がある方のロビー・玄関口へ。


花手水も粋だなあ

 

外に出るとラウンジ兼売店の建物も
別にあります。
品数は多くないですが、
ラウンジでお茶をして帰られる方も
いらっしゃいました。

 

総評

では毎度恒例、
「伊豆長岡温泉 三養荘」さんの総評を。
いつものように1号・2号の主観が
盛りだくさんなので、
そこはご容赦くださいね。
星は、5段階評価です。


<お部屋>
 広さ:⭐⭐⭐⭐
 清潔さ:⭐⭐⭐⭐
 におい度(におわない=星少なめ):⭐
 ベットの硬さ(硬度強=星多め):⭐⭐⭐⭐
 犬用アメニティの充実度:⭐⭐
 人用アメニティの充実度:⭐⭐⭐
    音漏れ(より聞こえる=星多め):なし

<お食事> 

 質:⭐⭐⭐⭐
 量:⭐⭐⭐

<犬用施設>
 ドッグラン:⭐⭐⭐⭐⭐

<スタッフ>
 接客:⭐⭐⭐⭐
 接犬:⭐⭐⭐(接触少)

<リピート>また行きたい度:⭐⭐⭐⭐⭐

 

ここが〇〇!

ここがいい!

◆ゆっくり上質な時間が過ごせる
 私たちが過去泊まった
 純日本旅館系の犬連れOK宿の中では
 レジーナリゾートの伊豆無鄰が
 一番高級ですが、
 三養荘はまた別格かなと。

 離れのお部屋は平屋で広く、
 建築物としても意匠の凝ったもので、
 周りを風雅な日本庭園や
 建物で囲まれており、
 洗練された美しさに出逢うことができます。

 一方で、犬たちは離れのお庭を
 自由に走り回って遊ぶこともでき、
 犬も人も充実した時間を持て、
 日本人で良かったと思える宿でした。

 

ここが惜しい!

◆小さい虫がどうしても入ってくる
 古い建物なので、どうしても
 侵入してくる小さな虫。
 特に洗面所の明かりが人気でした。
 寒い時期でコレだと
 人や時期によってツラいときもあるかも。

◆所どころ故障
 2か所あるお手洗いのうち、1か所の
 ウォッシュレットが壊れていたり、
 庇のシェードのような葦簀が一つ
 外れかけていたり。
 ちょこちょこ、不具合がありました。
 (アンケートでご連絡済み)

 

その他お役立ち情報

 

■狂犬病やワクチン接種の証明書の
 提出方法

三養荘の場合、
狂犬病予防及び混合ワクチン
(5種以上)を接種済みで、
接種後2週間以上1年未満であることが
分かる証明書の原本持参が必要です。

狂犬病予防接種を猶予されているわんこ、
ワクチンの抗体検査で
十分な抗体量があると
獣医師に承認されているわんこの場合は、
それぞれ証明書(原本)があれば
宿泊可能です。

同時宿泊は概ね10kg未満の
小型犬2頭まで、
現在発売中のおこもりプランの場合
1頭まで無料、2頭目は10,000円の
追加料金がかかります。

詳しくはホテルまでお尋ねくださいね。


さて、今回のレポートはここまで。

犬連れOK宿には
洋風ホテルタイプや
和洋ハイブリッドタイプが多い中で、
こんな純和風の瀟洒なお宿に
泊まることができ、
また改めて旅の楽しさを発見することが
できました。

ちょっとプレミアムな宿ではありますが、
ここで得られる特別な体験を思えば
価値のあるものだと感じましたし、
ここで愛犬と過ごす時間は
なかなか他で味わえない体験に
なるかもしれません。

大人のゆったりとした旅行を楽しみたい方、
静かな環境で羽を伸ばしたい方
などにもぴったりの宿ですよ。

ではまた、次の旅先か記事で
お会いしましょうー!

 

 

伊豆にある
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