旅犬

たびわんこ

犬の膝蓋骨脱臼(パテラ)手術体験記

こんにちは!
今回は旅行のお話はひと休み。

思いもよらず、
我が家で3例目となってしまった
犬の膝蓋骨脱臼(パテラ)の手術体験記を
書き残しておきます。

同じパテラの愛犬を抱えていらっしゃる方も
いらっしゃるかもしれないので…

あ、術後の経過は良好ですから、
どうぞご安心くださいね。


 今回のポイント 

・膝蓋骨脱臼(パテラ)とは?

・どんな症状?

・手術は?入院期間は?

・術後の様子

 

膝蓋骨脱臼(パテラ)とは?

 

膝のお皿の位置がズレてしまう疾患

私たちも、膝を触るとお皿のような骨を
触ることができますが、その骨が
本来あるべき位置より内側や外側に
ズレやすくなってしまう疾患のことです。

凜は3か月引き取り時の健康診断で、
すでにパテラの疑いがあると
言われており、
宙は2度の健康診断では
何もなかったものの、
飼い主としては生後5か月頃から
違和感があり、
どちらも先天性のものだそうです。

でも事前に凜のケースを見ていなければ、
宙の症状の早期発見は
できなかったろうなぁ…。
(柴犬の発症割合は、10%強と
言われているそうです)

どんな症状?

 

走っているときに突然スキップする
もしくは片足だけ痛がってすぐ平気になる

 

凜のときは、引き取ってすぐの健康診断を
たまたま整形外科に詳しい獣医さんに
お願いしたこともあり、その時点で
「膝蓋骨脱臼(パテラ)を
先天的に持っている可能性がある」
と指摘を受けました。

ただ、そのときはまだ幼いので
進行しておらず、
成長とともに筋肉がつくなどして
保存療法でいけるのではという話もあり、
その後何もなかったので、記憶のかなたに
薄れていたのです。

でもそれから、1年ほど経ったころ。

凜が走り回っているときに突然
「キャーン!」とひと声鳴いて、
座りこんでしまいました。

最初は何か痛いものでも踏んだのかと
抱っこして足裏を確認しましたが
何もなく、
下に降ろしてみると不思議と
何事もなかったかのように
スタスタ歩いたので
私たちも大して気にしていなかった
のですが。

日にちが経つにつれ、走り回っている間に
時々片足だけスキップのような
動きを見せたり、
後ろに足を蹴りだすような仕草をするように
なりました。

これは、膝蓋骨脱臼、通称パテラの
典型的な初期症状だそうです。

その頃もまだ私たち飼い主は
「面白い走り方をする子だな」とか
「張り切って走りすぎて痛めたのだろう」
程度にしか思っていませんでしたが、
だんだん「キャーン」と鳴く頻度も
上がってきて、
そのたびに凜を抱き上げていた2号は
腰を痛めて自らヘルニアを発症する
事態になり…
これはもしやと獣医さんで診てもらうと、
症状が進んでいることが分かりました。

そんな凜の経験もあったので、
引き取り時の健康診断は
複数の箇所で受けたものの、
パテラの傾向は見られないと
太鼓判を押された三代目柴犬、宙。

それでも心配性の飼い主は、
普段から歩き方などを
観察していたのですが、
生後5ヶ月くらいから、数か月に一回、
走り回っている最中に突然
「キャン!」と鳴いて足を上げることが
ありました。

ただ、雨後のタイル張りの上など、
いかにもスリップしそうな場所でのみの
反応だったため、
一時的な捻挫なのかどうなのか判断に迷い、
本犬も特段気にしていない様子
だったので、放置していました。

しかし1歳半になったあたりから、
走行時に少し左後脚だけスキップに近い
脚の着き方をするようになり、
『ああ、この子もか…』と
獣医さんで診てもらうことにしたのです。

手術は?入院期間は?

 

術法や先生によって異なり凜宙は1週間入院

 

執刀はかかりつけ獣医ではなく、
整形外科でも特に膝周りが専門の
獣医さんを探し、そこでお願いしました。
(もちろんかかりつけ獣医とは事前に
相談したうえで、です)

本当に手術が必要かも含めて
診察してただき、
凜の場合は片脚がグレード3で
ほぼ常時脱臼状態にあるため手術推奨、
もう片脚もグレード2後半で
パッカンパッカン脱臼しては
自分で脚を延ばして戻している状態なので
手術が望ましいとされ、
片脚ずつ手術することにしました。

膝蓋骨脱臼(パテラ)の術法は
いくつかあるそうで、
先生によって少しずつ異なるようです。

私たちもかかりつけや仲の良い獣医さんから
話を聞いて「この術法が一番良いだろう」と
納得したうえで、手術に踏み切りました。
(ちなみに、当然代金も変わりますので、
そこも遠慮なくお聞きになったら
よいと思います。
分からないことを聞ける
関係性ができてないと、
かわいい愛犬を任せる気になんて
なれませんもんね)

宙は幸い早く気づけたため、
グレード2でまだ即手術か迷うところ、
ただ今後完治はせず、特に犬種特性として
柴犬はなぜか特に
脱臼時の痛みが大きいようだと聞き、
まだ若く運動大好きな彼のQOLを優先して
負担が少ないうちに
手術することにしました。

手術は入院当日の午後行われ、
入院は1週間。
抜糸も終わってからの退院になるので、
自宅でのエリザベスカラーの装着も
短期間で済んだのはありがたかったです。


術後の様子は?

 

歩くも走るも通常に、生活も元通り

 

手術でワイヤ留めなどを使っていますが、
抜釘は必要なく、そのまま体内に
残したままで何度か経過観察の診察を
受けた後、4か月ほどで完治となります。
(獣医さんによってはリハビリ診療が
あるところもあるそう)

術後一週間時のレントゲン写真を
下に載せておきますが、もし苦手な方は
すっ飛ばしてくださいませ。



(さあ、苦手な方は下へびゅーーーん)

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(レントゲン写真、終わったよ~)



退院後は少し術脚を上げたり
していましたが、
徐々に地面に着ける時間が長くなってきて、
ひと月過ぎたあたりからはほぼ
気にしなくなりました。

凜は後両脚を手術してから片方が2年、
もう片方が1年弱ですが、
術前のように痛がることは全くなくなり、
ピンとワイヤの入った脚に
違和感も感じないようで
宙と元気に走り回っています。
(1号・2号の足にもボルトやワイヤーが
残っているのですが、
普段は何も感じませんもんね☆)

宙はまだ術後間もなく、
凜よりも慎重なのでまだ時々術脚を
上げていますが、
本犬はもう走りたがったりと
順調に回復しているようです。


膝蓋骨脱臼(パテラ)は
手術をしなくても死なない疾患ですが、
手術をしないで完治することも
ないそうで…。

私たちも当然、保存療法でできることを
全てやっていましたが、残念ながら
症状の進行を防げませんでした。

ただ術後の経過はとても良好で、
手術から完治診断が出るまで
(ウチの場合は)4か月の我慢を越えると、
その後は普通に走って、
跳んでができています。

むしろグレードが進んでしまうと
周りの関節や靭帯を傷める子も
出てくるそうなので、
『もしかして…』と思い当たられる
飼い主さんは、一度獣医さんに
相談されてもよいかもしれません。

ちょっとした異変は、
飼い主さんしか気づけず、
かかりつけ医も言われないと
分からないことがたくさんありますもんね。

最後に、雄のせいか
凜より多めに毛刈りされた
サービスカットな眠り宙を張っておきます。
みんな、元気が一番だぞ!